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飾り職の秀




しばらく海外にばかり目がいってましたが、最近『必殺仕事人』が面白くてですね!
高校生の時以来だなあ…。

時代劇、すっかり少なくなってしまったけど、カツラや小物を作る職人さんも減っているのでは。
日本人の体形も変わってきて、顔がちっちゃくなってるからチョンマゲが似合わないよねえ。
着物を着た時の所作だの、刀の扱いだの、クリアしないといけないことが山盛りだしねえ。
このまま時代劇はなくなってしまうのかな。

この年になると中村主水のカッコよさがわかるようになったけど、やっぱり好きなのは秀さんだな!
ムスメが横から「昔の髪型…」「もっさり」とうるさいけど、そりゃそうだよ30年以上前の人だもの…。


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スパイダーマン



トビー・マグワイアがピーター・パーカーを演じた『スパイダーマン』が大好きだった。
数年後『アメイジング・スパイダーマン』が公開されたけど全く見ていない。主演のアンドリュー・ガーフィールドがどうにも受け付けなかったから。

トビーのピーターは全然イケてない内向的な高校生(2では大学生)。“オタク” とか “nerd” と分類されるような。
アンドリューにはそういうものを感じなかったのだ。
ああ新しいスパイダーマンは、前作とは違う方向で作られるんだな、サム・ライミ版が作ったスパイディは無いことになっちゃうんだな、と当時は少々さみしい気持ちだったな。
こんなのはただの食わず嫌いなだけで、ちゃんと見てみればサム・ライミ版とは違うところを好きになったかもしれないし、アンドリューだって爽やかな好青年風だし、面白いと思ったかもしれないんだけど、どうにもこうにも当時はぜーんぜん興味がわかなかった。

さらに数年が過ぎ、また新しい『スパイダーマン』が登場した。
主演はトム・ホランド。
ピーターの役を射止めるために、インスタグラムで自身の身体能力の高いことをアピールしているのを何度か見ている。
そして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初めて彼の演じる新しいスパイダーマンを見て、こりゃなかなかいいんじゃない?と思った。
まだまだ少年で、その行動や考えに青臭さが感じられるけど、それが眉間にしわ寄せてるオジサン達がひしめくアヴェンジャーズにはいいアクセントになるんじゃないかなーって。


(あ、それから二人とも口角のあたりがプクっとしてて、口の中に何か含んでるみたいなところが似てるの。私的にはココ結構重要。)

6月にはワールドプレミアが行われその映像が流れてくるのを見て、MCUの一員として宣伝にも大層力を入れているんだなという印象を持った。
アイアンマンのロバート・ダウニー・Jrとも仲良くしてもらってマース!っていうのをやたらと前面に押し出しとるな…。
なんというか、こう…恵まれとるよねえ?このピーターはさあ。

ちょっとこのあたりで胸がチクチクしだした。
トムホのスパイディ、いいと思う。頑張ってほしいと思う。
でもねー、なんかねー、チクチクするの。
初代のいろんなことに報われなさすぎなトコロを思い出しちゃって、トムホ・スパイディがキラキラしすぎて…!

初代ピーターはとにかく貧乏。
メイおばさんはローンが払えなくて家を手放さなきゃならなかった。
ピーターはアルバイトをするものの、スパイディとして街の人を助けなきゃならないから、すぐクビなっちゃう。
大好きなMJの舞台にも、大事な講義にも遅刻する。
親友には父親の仇って誤解されちゃう。
手作りのコスチュームは股のところがチクチクしちゃう…。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」っていうベンおじさんの言葉はまるで呪いのようにピーターを縛るし。


トムホピーターのコスチュームはトニーが作ったんだよねえ。
きっとぴったりフィットして股がチクチクなんてしないんだよねえ。

ああ、なんて不幸な初代ピーター・パーカー。


トムホが悪いわけでも、トニーが悪いわけでもないし、ワールドプレミアなんてものはこれはあくまでも宣伝なわけですし。
映画の宣伝と映画内のピーター・パーカーの処遇がどうなのかっていうのは別物だしね!
わかってるよーわかってるの!

新しいスパイディを見てて久しぶりに初代を思い出したけど、あまりにも報われなかったよなーって!
なんだか複雑に気分になっちゃったんだよーぅ…。

でも今回の新しいスパイディは期待してる。ちゃんと劇場に見に行く。
やっぱりサム・ライミ版とは違った路線になってるんだろうけど、このスパイディも好きだなって言えるようなストーリーになってるといいなー…と思ってます。



SHERLOCK Season4



『SHRLOCK』終わってしまった。
なんだかもう、見終わった後もの凄く疲れて…。箱に入れられてガランガランと振り回されたような、そんな感じ。何を感じたかを文章にするのにとても時間がかかってしまったなー。
Season5はあるんでしょうか。
とりあえず、今回の4でシャーロックの「ゲーム」に一区切りがついたように思います。
正に、シャーロックがジョンと出会ったことが「ゲームの始まり」だったんだなと最終話を見て思いました。

Every choice you ever made, every path you've ever taken, the man you are today is your memory of Eurus.
今までの選択、選んできた道、お前という人間そのものがお前の持つユーラスの記憶そのものだ。

221Bでのマイクロフトのセリフです。
シャーロックが科学者や哲学者になれる頭脳を持っていたのに探偵になることを選んだのも、冒険を共にする人間を求めたのも、すべてユーラスの存在があったから。
ユーラスの記憶でできたシャーロックは、モリアーティとユーラスの思惑通り、シェリンフォードでマイクロフトを撃ち、マスグレーヴで井戸に落ちたジョンを死なせることとなったに違いありません。
シャーロックはそういう選択をする人間だと二人は考えたから、ああいうゲームを仕掛けたんでしょうし。

でもですね!
シャーロックは成長しているんですよ。ジョンによって。
いやー…ジョンがって言うよりメアリー…かなー…?でもほら!メアリーを選んだのはジョンなわけですからね。

「The Empty Hearse」でシャーロックが死の偽装をしたことに怒り狂ったジョンでしたが、当の本人は「死ぬつもりはなかったし」と今一つその気持ちを理解していなかったように思います。なんとなく「悪いことをしたなー」くらいで。
シャーロックって、世界は「自分」と「それ以外」みたいな感じ方をしていそう。
だから自分の死ってものを軽く考えていたんじゃないでしょうか。世界には自分しかいないわけですから、誰に影響するのか、と。
(これって他のホームズ兄妹も同じような感覚なんじゃないかなー)


しかしメアリーにその命を救われたことで、自分も誰かに必要な人間であると気づかされた。

メアリーの、ジョンの、小さなロージーの、この家族を知っている人たちの、様々な思いが乗っかったのがS4でのシャーロックなわけですよ!
人の悲しさや痛みを知ったシャーロックなんですよ!
そういうシャーロックだからこそ、妹の孤独を理解して手を差し伸べられたのだと思うのです。

なんたってジムモリはメアリー登場の前にいなくなってますから、このシャーロックの変化を予想できなかったんでしょうねえ。

もう一つユーラス・ジムモリの敗因として思うのは、マイクロフトの言うことが間違いだったのではないかということです。
『忌まわしき花嫁』で、カーマイケル邸での張り込み中ワトソンがぐいぐいとホームズに疑問を投げかけるシーン。
アイリーンの写真持ってるだろう?とか君も生身の人間なんだからとか、急にどうしたワトソン君藪から棒に…とちょっと引っかかったところです。

Watson: what made you like this?
Holmes: Oh, Watson Nothing made me. I made me.

何が君をこうしたか?にホームズは「“何か”ではなく、“僕が”僕を作った」と答えてます。
(日本語字幕はどうでしたっけね?でもこういうニュアンスで間違ってないよね?)
ワトソン君の藪から棒発言はこのホームズのセリフ “ I made me.” のためのものだったのではないか?と思うのです。

シャーロックのマインドパレスの始まりは、ユーラスの出した問題に答えを出せず、親友を失った頃に出来上がったんじゃないかと最終話をみて思いました。
記憶に蓋をして表面ではユーラスの記憶によるシャーロックが出来上がり、心の深く奥ではいつかあの問題を解く日を待つ本当のシャーロックがいたのでは。
マインドパレスのホームズのセリフは、それを示唆していたのじゃないでしょうか。

Because it's not the fall that kills you, Sherlock.
Of all people, you should know that, it's not the fall, it's never the fall.
It's the landing!

『忌まわしき花嫁』の中でジムモリが「シャーロックを殺すのは “fall” じゃなくて “landing” だよ!」って言ってましたね。England のアナグラムか?と思ったりしたんですが違ったようで…。
「着陸の仕方がわからない」ユーラスのことだったのかもしれないですね。
シャーロックが問題を解くことができず飛行機が落ちてしまえば、兄に救いを求めていた子供のユーラスは消滅してしまったのではないかと思います。
そして残るのは怪物のユーラスだけ。
シャーロックを殺すのはユーラスだと警告をしていたのかもしれない。


これらのことは、シェリンフォードでユーラスに会った時のシャーロックがあんなにも無防備だった理由にならないでしょうか。
いつものシャーロックだったら、ガラスが嵌っていないのを見逃すわけがない。そんなミス、シャーロックらしくない。
だからそれさえもすべて計算ずくの行動だったのかもしれないと思うのです。無意識の。
マインドパレスのずーっと奥のほうにしまわれた記憶が、シャーロックに無意識のうちに最良の判断を下させていたんじゃないか?と。
それもこれも最後の問題を解くための、「肉を切らせて骨を断つ」みたいなね。

だって、「弱った探偵」は大好き♥だけど、「弱い探偵」は嫌なんだよ!
シャーロックにはいつも超然としていて欲しいんだよー!
きっとシャーロックは「わかってないけど全部わかってた」んだよーーーーーぅ!

Season4はそういう話だったと結論づけたんですけどどうかなー…。

大事なことは紙に書いておいたほうがいい

パソコンが!壊れて!
データのバックアップもしていなくて!
ブログの管理ページに入りたくともパスワードが分からなくて…。
なんとか記憶の底を掘り起こしてこうして復活できましたが間に合わなかった…。

バッチさん、41歳のお誕生日おめでとうございました(←過去形)。

ドクター・ストレンジ



『ドクター・ストレンジ』をみました。

大阪での1回目の鑑賞後、翌日の飛行機が午後遅くであると伝えると友人たちが「もう一回観ようか!」と嬉しいことを言ってくださるのでお言葉に甘えることに。
えー、いいのー?ほんとー?と言いながらかなり顔がにやけていたと思う。
バッチさんについてもかなり好印象を持ってもらった。
ふふふ・・・こうなればこっちのもの。
少しずつ「カンバーバッチ沼」に引きずり込む予定だ。

更に帰ってきてからムスメを誘って観る。
「もう一回観てもいいなー」と、いつもなら “映画は一回観たらいいわ” ってタイプの人が珍しいことをいうので後日(うほほーい!と内心思いつつ)映画館に足を運ぶ。

結局4回。
そうさ!4回も観たさ!財布が軽いよ!
でも満足!!

繰り返し観たい、と思わせるのはやはりあの映像の凄さだろうか。
ストーリーもきっちりとまとまってて、お話の導入部としてわかりやすくて良かったし。
さすがマーベル。

欲を言えばカエシリウスについてもう少し知りたかったなあ・・・と思う。大切な人を失ったという説明があっただけだからね。
でも、そこのところが端折られていても薄っぺらくならないのは、やはりマッツ・ミケルセンの演技力によるんでしょうねえ。
ドクターに拘束された時、自分が何を成そうとしているか切々と訴えながら流す涙には多くの感情が垣間見えて、あのシーンで一気にカエシリウスというキャラクターに肉付けがされたと思う。
自分は「正義」だと信じ、それは見る角度を変えれば確かに「正義」であったし、それが成し遂げられないまま永遠の時の中でさ迷わなければいけないのだから、なんて救いのないことか。
それも、悲しみとか憎しみ、怒りを持ったままでだ。

カエシリウスは完全な悪ではなかったのだから、彼の最後に何かしらの希望を見いだせるような演出也があったらよかったのに。
そうでなければドクターのやったことってただの生殺しではないのかしらねぇ・・・。
考えすぎかしらねぇ・・・。


さて。気を取り直して。
エンシェント・ワン、好きだなー。
冒頭のカエシリウスとの戦闘、本当にカッコいい。度肝を抜かれたと言っても過言ではないよね(ティルダ本人のアクションではなくスタントの人だとは思うけど)。
そして、時折見せる年端もいかない童女のような笑みや、すべてを見通した仏のような眼差し。
あんな人間離れした(褒めてますよ!)透明さを持った女優さんて他にいるだろうか?

ニューヨークのサンクタムでドクターに詰め寄られた時、「次に口にする言葉は慎重に選んだほうがいい(ここちゃんと覚えておこうと毎回思うのにオバサンは忘れてしまうんだよなー!)」みたいなセリフを言うんだけど、ここのドクターの答えで「よっしゃ。あとは任せた」と決心がついたんではなかろうか。


そして、ドクター!ステキ!
(大変な目にはあってますが)ベネさんがこんなふうに明るい雰囲気の役を演じるのは珍しくないだろうか(今後シリーズが続くにつれて、ヒーローのお約束として深く悩み始める可能性は否めないけど)。
ウォンとの会話や、マントちゃんとの関係とか、見ていて本当に楽しかった。
扉が開いて「ころりん」と転がっていくシーン。
絶対自分から転がったよね。コントの転がり方だよね、アレ。
コメディやりなよー!と思うんだけど、また新しいドラマのお仕事で子供を亡くすっていう悲しい役をやるらしい。
なぜ自ら自分を痛めつけるようなことをするのだ。マゾなの?カンバーバッチ。


最後のドゥマムゥとの闘い。
“I've come to bargain !”
先生は何度繰り返したんだろう。
何度「死」を経験したんだろう。



魔法使いって万能なのかと思っていたけど、どうやら違うみたい。
努力が必要だったり、痛みを伴ったりもするようだ。
ドクターと次に会えるのは『ソー/ラグナロク』のようなので、予習として『ソー』の1と2を観たけど、神様も万能じゃなかった。不死でもない。
そういえば「指輪物語」のガンダルフもびゅんびゅん剣を振っていたっけ。
結局、魔法っていうのは「なにかしら不思議な力」を使って、「杖を振ればすべて解決」するチートなものではなくて

「なんだかわからないけど強い(物理的に)」
「腕力にプラスすると更に強い(物理的に)」

というのが正解に近いかもしれない・・・ような気がする。

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