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ハムレット 8

私が持っている「ハムレット」は新潮社文庫の福田恒在訳のもの。
亡霊が「父の頼みを忘れるな」と言い残し消え去った後の、ハムレットのセリフの一部にこう書かれている。
    『哀れなやつ、心配するな、このひっくりかえされた玩具箱のなかに、
            すこしでも記憶力の落ちつく余地のあるかぎり大丈夫だ。』
     
     Ay, thou poor ghost, while memory holds a seat In this distracted globe.

先に日本語訳のほうを読んでいたので「ひっくりかえされた玩具箱」は「toy box」とかそういった単語がくるのかなあと思っていた。
そうしたら原文では「distracted globe」だったので、かなりの意訳がされているのが分かってビックリ。少し調べてみたけど、「distracted globe」に「玩具箱」を連想させるような意味はない・・・と思う。多分。
普通に「混乱した頭」で良かったんじゃないですか、福田先生。と質問してみたいところだ。


しかし「玩具箱」と言えば、スチールだとかトレイラー等の動画で見られる「おもちゃの兵隊」を彷彿とさせるベネレットの衣装を連想してしまうのだけれど。
これは偶然なのか?それとも「distracted globe」には「玩具箱」的な意味があるの?かな?

それだけじゃなくて、亡霊が去って、ホレイショー達に今夜のことを口外しないよう誓わせるシーンで、ベネレットは階段の下から大きな箱を引っ張り出す。
コレを見た時はまだ原文を読んでいなかったので、ここで「あれ?玩具箱?」と思ったわけだけど、よく見ればこれは衣装箱って言った方が近いかな。





ひっくりかえされた玩具箱・・・ではなく衣装箱のようなものから取り出した上着を着せかけるのはオフィーリアなんだよねえ。
この衣装はベネレットの「狂気」を表しているんだと思うんだけど、オフィーリアが、ってところに意味はあるのかなあ。




「Words, words, words.」のシーン。

「ハムレット」の年齢は、最初は19才くらいでオフィーリアの墓のシーンあたりでは30才らしい。
この辺の「一気に年を取るハムレット」については諸説あるらしいが、私はあまり気にならない。人が感じる時間は人それぞれ違うと思っているので。
それよりも、最初の「19才」のほうがねえ。
ガートルードへのマザコン気味の愛情だとか、オフィーリアへの態度だとか、ワーワー言う割に行動に移せない不甲斐なさだとか、そういったものはハムレットがせいぜい16,17才くらいの男の子だったら納得がいくんだけどなあ。

なので、まるでおもちゃの兵隊のような格好を、ベネレットの「狂気」として具現化したのは、彼が未熟な子供の部分を持った男であるというのを観客により分かりやすくする演出なのかなと思う。
最初は帽子もかぶってキッチリ着込んでいた衣装も、心の成長とともに脱いでいく・・とかね。
あくまでも断片をみた限りの予想ですけども。

この辺の衣装の変化とベネレットの内面の変化に注目して鑑賞したい・・・と思っていますが、集中力が続くかどうか。




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2 Comment

玩具はなあ

WINTさん

なんと、ちょうど今私が読んでいるところがその「玩具箱」のところでびっくりです!!(本当はこんな最初のところ今頃読んでたらだめなんですが)
しかもここから2、3日先に進めないでいたので、こうして話題を提供していただき助かりました。
読んでいるのは「大修館シェイクスピア双書」という、原文に注釈をたくさんつけたものです。
this distracted globeの部分は、
①錯乱した頭②乱れた世界③グローブ座
という意味にとれると書いてあります。
そして「グローブ座の記章が、天球(globe)を肩にかつぐヘラクレス」とも。ヘラクレスとはハムレットの理想だという説は河合祥一郎の本にも書いてあるので、自分が狂った世界を担いでいる比喩なんでしょうね。
玩具箱とは書いてないし、訳者さんのイメージが飛躍してしまったんでしょうか〜。
ところで、グローブ座に気になってできた年を調べたら、
ちょうどハムレットが書かれたと言われる年の2年くらい前でした!
ということはヘラクレスの記章のついた劇場で、この台詞を俳優さんがしゃべり、それをグローブ座に来ている観衆が聞いていた、という図になってちょっと興奮してしまいました!!

衣装箱とオフィーリアはこの劇のオリジナルでしょうかねー
原作にはト書きもないし。そういわれればなんで彼女なんだろう?
この時点では父ポロニアスから、ハムレットとはつき合うなと言われたはず・・・
当時、女性の地位が低かったとはいえ、若い未婚の女性が女中でもないのに服を着せてあげたりしたの不思議。
お役に立ちましたか!?
  • WINT
  • (2015/10/30 23:26)
「globe」は劇場の名前でもありましたか。
wikiを見たら、シェイクスピア作品が多く初演されていたようですね。なるほどね~。
これも河合氏だったと思うんですけど、墓掘りの “イングランドは気違いばかりだから” みたいなセリフを聞いた当時の観客は大受けだったろうって話しなんですけど、これが現在のライブ等のMCでご当地ネタを挟んだ、お客さんに対するサービスみたいだなあって感じたんですよね。
「globe」にもそういった計算がありそうですよね。
400年前の戯曲に当時の「ライブ感」というんでしょうか、観客の反応を見つつ舞台を造りあげていくっていう、そういうものを感じました。
わー、なんだかちょっと「ハムレット」の世界が広がったみたい~。

今回のベネレットでは、オフィーリアとの関係が従来よりも親密ではないですか?そんなふうに見えますが。その辺も気になっているんですよね。
墓のシーンでどんなにハムレットが「オフィーリアを愛していた!」って言っても、ホントにぃ~?って疑う気持ちが消えなかったんですけど、ベネレットはそのあたりの私のモヤモヤを晴らしてくれるのでは!?と期待してるんです。

しかし、全然予習が間に合いません。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」を見てしまいました。
しましまさんもhedgehogさんもちゃんと勉強して偉いなあ!!

グローブ座とヘラクレスの画像を貼っときます。
 

そういえば

叔父と父とを比べる時に、比較として「自分とヘラクレスほど違う」って言ってましたもんね。
でもいまひとつヘラクレスの偉大さが分からない・・・。
たまに失敗してるし。

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