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ブラック・スキャンダル

ジョニー・デップって若かりし頃は「ナイーブな青年」って風情だったのに、年とともに凄みがでてきて最近はちょっと怖い。
そんなジョニデが演じたジェームズ・バルジャ-、やっぱり怖いよ!目が怖いんだってば!
監督のスコット・クーパーとの話し合いの中でバルジャーの役作りが行われたそうだけど、バルジャーを知る人は「もっと気さくな人間にみえた。あんなに怖くない。」って言ってたっていうんだから、ジョニデ気合い入りすぎじゃない?
神経質そうで、物静かで、でもその静かさが却って不気味。

映画の始めのほうで、「あら!いつアルカトラズから帰ってきたの?」って愛想良くバルジャーに声をかける顔見知りのおばあちゃんにちょっと笑ってしまった。けど、これまた怖い話だ。日本の一市民の感覚としてはあり得なーいって感じ。だってあの「アルカトラズ」だよ!?おばあちゃん、サラッと凄いこと言ったね-。
ここらへんの話を理解するには、アイルランド人の気質だとか、ずーっと遡ってアイルランドからのアメリカへの移民が当時どんなものだったかってところから始めていかないとダメだねえ。映画のストーリーの理解も深まるだろうし。
でも、すごく大変そうなので詳しくは調べませんケド・・・。

移民と言えば、日本でもブラジルへ渡った人が大勢いて、やはりその待遇は過酷だったが、マフィアがどうの・・・って話を聞いたことがないのは日本人の性格のせいなのか、それとも住んだ地域によっての差なのか。これも調べ始めたらとんでもなく時間がかかりそうなのでやめとこう・・・。


バルジャーの幼なじみでFBIのジョン・コノリー役ジョエル・エドガートンがよかった。コノリーのほうにもっとウェイトを置いても良かったのではと思うくらい。
いっそコノリー、主役でいいんじゃない?

映画の中では触れられていないが、FBIの初代長官ジョン・エドガー・フーバーが、イタリア系マフィアを押さえつけることなく見逃していたことで組織が力をつけていったこと。フーバーの死後汚名返上とばかりにFBIがマフィア壊滅に躍起になっていたこと。
まるで彼のための舞台が設えられたよう。
イタリア系マフィアに対抗できる力を持ったジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーとの交渉が可能なコノリーは“チャンスだ”と思ったことだろう。
毒をもって毒を制す。でも、結局その毒に犯されて破滅してしまうんだけど。
男の野心、つかみかけた成功、じわじわと泥に足を取られていつしか身動きができなっていく焦燥感。エドガートンの演技が、コノリーの背中にじっとりと浮かぶ汗さえも感じさせる。
この人、地味でジャガイモ顔だけどいいよね。

バルジャーが犯罪界を牛耳っていたっていうけど、FBIが見逃すことで勢力が拡大していったように思えるし、コノリーの存在がなかったらここまで大物と言われる程ではなかったのでは。
やっぱり、コノリーが主役の話にしたほうがおもしろかったんじゃないのかね~。これ。




ハイ!バッチさん登場でーす!
得意満面で行進してます。まー、かわいいこと。アラフォーなのに。
絶対この金の棒、くるくる回したに違いないね。

今回はジェームズ・バルジャーの弟、ウィリアム・バルジャーを演じています。大物政治家です。
 "Jimmy's business is Jimmy's business..." とコノリーに向かって言うシーン。ここの表情がいい。親愛の笑顔ではなく、拒絶の笑顔。ああ、政治家の顔だねえ!コレが見たいが為に今回映画館に足を運んだと言っても過言ではないです。

今回のストーリーではあまり出番がなかったけど、やはりこの人が州の政界を仕切っていたことで、バルジャーに手が出しづらかったという事実があるようだし、全く無関係とは思えない。映画の中では優しげな笑顔を見せていますが、バッチ氏演じるウィリアムには何か得体の知れないものが感じられる。
愛想が良くてにこやかだけど、腹の底が見えないのね。
兄は犯罪者、弟は政治家。どこからこの兄弟の生き方が分かれてきたのか、これも調べてみたら映画がおもしろくなりそうだけど、・・・今度ねー、時間があったらねー。だって大変そうだし。



ところで以前、あまりの行いの良さにこの人は「聖人」にでもなっちゃうんではないか!?と心配しましたが、実はそれと同時にその行いの良さ故に
Prime Minister of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
Benedict Timothy Carlton Cumberbatch
(長いなっ!)
になってしまうのではないのか!?とも思っていたのです。時期的には20年後ってところか。
今回の映画を見ていて、その堂に入った政治家振りに、本当にいずれ政界入りしてしまうんじゃないかしらとちょっと心配。
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Hamlet 感想

改めまして「ハムレット」の感想です。

字幕バンザイ!何を言っているかちゃんと分かるよ!
最初のインタビュー、どんな「ハムレット」にしたかったとか、どう演技をするかとか、そういうことが語られていてとても良かった。
自分の現在の年齢的に、若者であるハムレットを演じるのはどうか?と思ったりもしたらしいけど、そんな心配すること全くなしだ。近くに座っていた男子2人組が、カンバーバッチ凄いね 発散するエネルギー量が全然違うよね って話をしていて、そうだねそうだねと心の中でうなずいてしまったもの。

字幕がついてセリフが分かると、想像以上にハムレットの内面が激しいものだと感じた。なんだかね、「ナウシカ」の王蟲を連想してしまった。怒りで我を忘れて、周りを巻き込んで破壊していくの。もちろん、彼の中にあるのは怒りだけじゃなく、悲しみ、憎しみ、焦り・・・いろいろな感情が交じり合ってもっと複雑ではあるんだけど。
周りを欺くため狂気を纏いつつも、その内面に秘めた激しさを隠しきれずにあふれ出させてしてしまうところが、彼の脆さとか危うさなんだろうねえ。
あー、ベネレットって若いなあ。

そんなハムレットに巻き込まれて破滅した人物といえばこの2人。
ローゼンクランツとギルデンスターン。この人たち、酷い目に遭いすぎじゃない?

ローゼンクランツのセリフ “My lord, you once did love me.”、ここでは “I hate you.”っていうアナキンに対して “I loved you.” って返すオビ・ワンを思い出しちゃった。暗黒面に落ちたベネレット・・・。

毎回損な役回りだなーくらいにしか感じなかったけど(wikiで「無能で小悪党」って解説されてた!・・・)、今回のローゼンクランツとギルデンスターンはなんとも憎めない感じの配役・演技なもんだから、彼らが辿る運命が過酷すぎやしないかい?って思ってしまったんだよね。王に命令されてハムレットの動向を探りには行くけれども(そこには権力者に取り入って「あわよくば」みたいな野心的なものもあったかもしれないけど)、それだけじゃなくこの2人には純粋に友人を案じる気持ちも見て取れたから。
そして友人ではあるものの、なにやら胸に一物ありそうなハムレットのせいで、王が倒れたら国が立ちゆかなくなる。ならばいっそ・・・と思うのも、国民の一人として(苦渋の選択ではあっただろうが)納得がいくというもの。
この2人がなんで死ななきゃならないのさー!

いつもはそれほど重要に思えない2人だけど、今回はハムレットの古い友人として、その関係が壊れていく過程の中で、ハムレットの孤独を強調する役どころとして機能しているなと思いました。ベネレット版のローゼンクランツとギルデンスターン、好きだ!

そしてオフィーリア。
彼女もまたハムレットに振り回された1人だよね。
ポローニアスの所へ行って、ハムレットが自分の部屋に来てその様子が恐ろしかったと報告するシーン、戯曲とセリフが変わっているかな?と思ったけど、前半がカットされているだけで後半は元のままだった(と思う)。
“He took me by the wrist and held me hard;~” と、ハムレットの様子を語るセリフ。この内容が、今回の舞台では兵隊の衣装を着せてたりして2人がなにやらやっているのを指しているんだろう。
そしてその後、オフィーリアのもとにやって来た時のハムレットの表情がもうね!
オフィーリアへの愛情が溢れんばかりの笑顔でねえ・・・。凄く可愛かったんだよ~、ベネレット。ここはぜひ正面から撮影して欲しかった~。
こんなにも「オフィーリアが好きだ-!」って顔に出しちゃうハムレット、今までにいた?

前回見た時に思ったんだけど、孤立無援で復讐という重責を果たさなければならない立場に置かれた時、心から愛する女性を心の支えとしたいという思いがハムレットの内なる欲求としてあったんじゃないの?あくまで心の中でってことでね。言葉に出したっていうんじゃなく。
そこら辺のハムレットの葛藤が、オフィーリアの “He took me by the wrist and held me hard;~”
のセリフにあるハムレットの行動の理由ではないかと。
そんなふうな思いがあったのなら、いきなりオフィーリアから手紙だのなんだのを突き返されて拒絶されて・・・で、訳が分からなくなったんじゃない?つい、言葉も荒く、彼女を非難してしまったんじゃない?
こんなところにもハムレットの若さ、青臭さを感じました。

この時、オフィーリアが一生懸命何かを書こうとしているんだけど、ここのところが分からなかった。後から「自分の本当の気持ちを書いてハムレットに見せようとしたんだ」というのをどなたかの感想にあるのを読んで「ああ!なるほど」ってやっと気づいた。
そうだよね~。だって近くでオヤジ達が聞き耳を立てているんだもんね。
父親には逆らえないし余計なことは言えないし、でもハムレットには自分の気持ちを伝えたいし。愛している人たちの間で板挟みになってしまったんだね、オフィーリアは。
愛しているならそこら辺もうちょっと分かってやれよー!ハムレット。


今回の「ハムレット」、いつも喉の奥に小骨が引っかかったみたいな違和感があるところが、気持ちよくスパーン!とカットされてて「あ、そこなくてもいいの?切っちゃうの?」みたいな驚きはあったものの、すっきりしていて好き。
ハムレットが悩み葛藤し、時に嵐のように荒れ狂ったりする中で、ベネさんの(アラフォーなのに)初々しさとか瑞々しさが感じられる演技と演出とで、やっぱり毎回「ああっ、納得いかない!」って思うところが今回は気にならず、これまたすっきりとして良かった。
ハムレットとオフィーリアが愛してあっているのが分かるのもいいよね。私的にはここのところスゴく大事。

今回の「ハムレット」、ベネさんがインタビューで「新しい観客を劇場に呼ぶチャンス」だと語っていた。
全くもって私のことです。
ベネレットがなければ、シェイクスピアもハムレットも、手を出そうとは思わなかったよ!

本当なら、この物語を造りあげてる歴史的背景だとか、シェイクスピアの思想だとか、その辺も理解しつつ鑑賞したほうがもっと深い意味で楽しめるんだろうけど、なにしろ「初シェイクスピア」なものですから、まずは無理せず「おもしろかったね!」って言えたってことで満足かな。

そして、「舞台俳優 ベネディクト・カンバーバッチ」いいよね!
映画やドラマで見るのと何が違うんだろう?そこのところ、ハッキリとした理由は分からないままだけども、なにやら魅力的に見えるんです。
いつか「生」で舞台見てみたいね~。

でも、舞台には「字幕」がないんだよね~・・・。
悩ましいね~・・・。

Hamlet 感想・・・の前に

なんたって正味3時間越えですし、字幕はないですし、一回限りの鑑賞ですしそれはそれは想像の翼が広がりまくりだったわけで。
なので、前回の先行上映会鑑賞後、私の記憶は曖昧になり、知らず知らずのうちにねつ造・改変されていたのです・・・。

字幕付きで「ハムレット」を観てきました。
観ているうちに3度「あれ?」と違和感。
「尼寺へ行け!」と言ったハムレットが奥へ引っ込んだ後、もう一回戻ってきてセリフ言わなかったっけ?
ガートルードが毒を飲むのってこんなにザワザワしてた時だっけ?もっと前じゃなかったっけ?
フォーティンブラス、最後に出てくるんだっけ?
もしかして所々映像が差し替えられてる?

・・・などと疑いましたが、全くそんなことありませんでした。
タダの勘違い。
他の「ハムレット」と混ざっちゃったらしい。

だってねー?3時間以上もあるしねー?前回は一回だけしか見てないしね-?
しょうがないよね-?・・・ねー?


城に招かれた役者が演じるのを見て、自分の不甲斐なさを感じて「俺を悪党と呼ぶのは誰だ」というセリフを言う時、スクリーンの向こうからこちらに問いかけるようにベネレットがカメラを見据える・・・んだけど、なんだか自分の記憶が当てにならないわーな感じなので、本当にそうだったのかちょっと自信がない。
たまたまカメラがベネレットの正面を捉えてカメラ目線のようになったのか、それとも演出として意図してやったことなのか分からないけど、かなりどっきりとした瞬間だったんだけどねー。

こっち見たよね-?
それともこれも勘違いかなー?
気になってしょうがないんだけど!

今回はメモ帳持ち込んで鑑賞したかった。途中で忘れちゃうから。
そして鉛筆の先っちょをペロリとなめてから書き始めるの、ベネレットのように。

2泊3日ベネレットの旅

2泊3日で、「ハムレット」見に行きます。
3回分チケット買っちゃった~。贅沢贅沢。でも折角遠出するんだからじっくり見たいし。

札幌で上映してくれればもっと気楽に楽しめるのにねえ。

では行ってきます。

inseparable



私がカンバーバッチファンになったのは去年の春のことなので、勢いネタが古いものばかりになります。ご了承ください。


家庭を持った男が不治の病に冒されたことを知り、ギャンブルに溺れる双子の兄弟と人知れず入れ替わろうとするショート・ムービー『inseparable』。
散々変な顔呼ばわりしましたが、このフィルムのベネさんはため息が出るほど美しい。そのことは、家庭を持って仕事も充実している男と、そんなものとは無縁にみえる男、同じ顔を持つのにその人生は全く違うということを強烈に印象づける。

大体双子の兄弟だと、出来のいいのは弟だ。年が離れた兄弟だったら兄のほう。今まで見た映画やドラマ、小説等から導き出した勝手な推測ですが。

どうやら弟(・・・と勝手に決めました)ジョーは、不治の病に冒されているらしい。脳腫瘍か何かだろうか。
病は少しずつ進行し、その過程で彼は自分を失っていくのかもしれない。「死」そのものよりも、自分が自分でなくなっていく、そのことに彼は恐怖を感じたのではないのか。だからこそ双子の兄弟チャーリーと入れ替わり、彼がジョーとして生きることにより、以前と変わらない時間が流れることを望んだのではないのだろうか。

双子の兄(と勝手に決めました)チャーリーはギャンブルに溺れ、自堕落な生活を送っている。
しかし、その表情には悲しみや痛みが見えるのだ。彼もまた、過去に大きな喪失を味わったのではないのか。その時に自分自身も失って、でも消えてしまうことも叶わず、そんな自分を絶えず痛めつけて、罰を与え続けて。
そんなふうに生きなければならない程の大きなものを失ったのではないのか。

ジョーはすべてをチャーリーに託す。
チャーリーは「チャーリー」であることを捨てて、「ジョー」という人間として生きようとする。言葉を交わさなくても二人の間には深い信頼があるのだろう。

妻と子にはずっと変わらない暮らしを。そして、もしかしたら。
これは空っぽの器のように生きるチャーリーの再生のための、ジョーの双子の兄弟に対する愛情でもあったのではと思うのだ。
ジョーは消え、「ジョー」は生きる。
「ジョー」は呟く。なんとかなるさ、と。


・・・なとかなるさ~?
なんとかなるさだってぇ~?
なるはずないでしょう!?あんた達兄弟バカじゃないの!?
私、知ってるわよ。あんたこれっぽっちも目なんか悪くないじゃないの!
さっさとその意味のない眼鏡外して、あの人探しに行きなさいよ!!
見つけるまで帰って来んな!!

・・・おっと、ついつい妻目線になっちゃったわ。

そうなのそうなの。なんでこれについて書こうと思ったかって言うと、最初は「ベネさん、めっちゃきれい・・・」って見てたのに、しばらく時間が経ったら「この兄弟はバカかー!」って気持ちに変化してきたからなの。
ホントーーーーーに男の気遣いってズレてる。(←これまた実体験が全く伴わない、映画・ドラマ等のフィクションからなる推測です)

夫と同じ顔なのに、一目で別人と分かる男となんで一緒に暮らさにゃならんのだ。
毎日顔を合わせる度に、夫がどこかでたった一人で苦しんでいるのを思い出してしまうのに。忘れることもできないのに。
もし私が妻の立場だったら、全財産をはたいても夫の居所を突き止めて、その高い鼻にグーパンだ。そして有無を言わさず病院に連れて行き、最後の最後まで見届けてやるのだ。フン!


このショート・フィルムは一部分だけで、資金が集まったら残りを撮影して完成となるはずだったらしい。そして、残念ながら未だ完成には至ってない。
本当はどんなストーリーだったんだろう。
想像に任せていろんなことを書き連ねましたが、この部分だけで十分悲しいので、本当のラストは少しでも救いのあるものだといいんだけどな。







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